小学校に入学する前の子どもたちに対して集団保育を行う施設という意味において、保育園と幼稚園はよく似ています。
しかし、この両者にはよりどころとなる法律や目的などに違いが見られます。
以下、保育園については、地方自治体に認可された認可保育園の例で述べていきます。
法律上の違い
保育園と幼稚園との違いでまずあげられるのは、法律上の違いです。
保育園は児童福祉法の規定に基づいて設置される児童福祉施設です。
中央官庁でいえば、厚生労働省の所轄となっており、"福祉"という概念のもとに運営されています。
一方、幼稚園は学校教育法の規定に基づいて設置されており、小学校や中学校などと同様、学校のひとつです。
中央官庁で言えば文部科学省の所轄となっており、"教育"という概念のもとに運営されています。
入園の仕組みの違い
保育園と幼稚園とでは、入所する際の手続きに大きな違いがあります。
幼稚園の場合、行きたい園があれば、誰でも直接幼稚園に応募することができます。
しかし、保育園の場合、行政が定める「保育に欠ける」という入園条件があります。
つまり、「保護者が働いているために子どもの保育ができない」などの明確な理由がないと入園できません。
また、幼稚園と違って、直接保育園に入園の応募をすることはできず、保育園を利用したい保護者は、市区町村の保育課などに入園のための申請を行います。
そこで子どもを入園させる必要性がチェックされ、必要と認められれば入園が許可されます。
しかし、行きたい保育園に入園できるという保証はありません。
保護者はどの保育園に子どもを入れたいか希望を出すことはできますが、どの園に入園するかは、保育園の空き状況などを見て、市区町村が最終的な判断をします。
開園時間の違い
保育園と幼稚園とでは開園時間にも大きな差があります。
幼稚園が午前中から昼食後までの1日4時間の保育を基本としているのに対して、保育園の開園時間は基本的に1日11時間となっています。さらに延長保育を行う保育園もあります。
保育園の役割が、仕事などで家庭での保育ができない保護者の代わりに保育を行うことですから、保育園での保育時間が長くなるのは必然的なことです。
対象年齢の違い
保育園も幼稚園も小学校入学前の幼児(6歳まで)を保育の対象としている点では同じです。しかし、年少については幼稚園が満3歳以上を対象としているのに対して、保育園は0歳の乳児からが対象になっています。
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